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『こころ日誌・インスペクシオ』エピローグ

『こころ日誌・インスペクシオ』エピローグ

エピローグ

20XX+4年11月
アァ......久しぶりに浴びた日の光で、瞼が痛い。

「おかしいなぁ。ナビはこの辺りって、言ってるんだけど」
隣で母さんがつぶやきながら、ハンドルを切る。

行先にたどり着けないらしい。
もう分からないなら、帰ればいいのに。
別に何も期待してないし。

「ちょっと、寝てないで、一緒にナビ見てよ」
母さんの催促がうっとうしい。

「あ、あれじゃない?看板がある」

なんだ、見つけちゃったのか。めんどくさいなぁ。

母さんは看板の前に車を頭から突っ込むと、シフトレバーをPに入れて、サイドブレーキを引いた。

「着いたわよ、降りて」

......体が、重い。

どこだここは?住宅街と思ったけど、後ろは山なんだ。

なんか、見た目は普通の家...?でも、珍しいな。煙突がついてる。そう言えばもらった紙に薪ストーブの写真が載ってたな。

――ピンポ~ン

母さんがインターホンの呼び出しボタンを押した。

「は~い」
男の人の声だ。カウンセラーって、女の人だけじゃないんだ。

「11時に予約しました工藤です」
「どうぞ、お入りください」