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『こころ日誌・インスペクシオ』#1 プロローグ

プロローグ

ベルトコンベヤーの上を、素材も、色も、形も異なる大量のパーツが流れていく。
その先には、いくつかの『型』が待ち受けている。
検品者は、流れるパーツをじっと見つめ、思案する。

「どのパーツを、どの型に嵌めようか」

この選別が終わると、早速加工に入る。
あるパーツは高熱でドロドロに溶かし、型に流し込んで冷却する。
あるパーツはプレス機で圧縮し、巨大なローラーで均一に引き伸ばす。
またあるパーツは、高速回転する砥石に押し当て、はみ出した角を火花と共に削り落とす。

加工に向いたパーツは扱いが楽だ。
容易にその形を変え、どの型にも素直に嵌まる。

一方で、そうではないパーツもある。
やたらと堅い。
曲がらない。折れない。切れない。溶かすことさえできない。

色々と手を尽くすが、どうしても適合する型が見つからないパーツに、稀に出会うことがある。

――フッ。

検品者は短く息を吐くと、そのパーツに『廃棄』の刻印を押し、欠陥品として処理する。

そうしてまた、次に流れてくるパーツの選別と加工に取りかかるのだ。

今日もベルトコンベヤーは、淡々とパーツを流し続けている。