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なぜ不登校の子どもを責めてはいけないのか?

なぜ不登校の子どもを責めてはいけないのか?

親御さんの中には不登校の子に対し、とても許せない気持ちを持っていらっしゃる方がいます。そして学校に行かないでスマホばかりいじっている子どもを見るとつい声を荒げて、責め立ててしまう方も少なくありません。将来のことを考えれば、家でダラダラ過ごしているようにしか見えない我が子に対して苛立ちを覚えてしまうのも無理はないのかもしれません。

ですが、私のカウンセリングの中では親御さんに子どもを極力責めないであげてくださいとお願いします。これはなにも子どもがかわいそうだから言っているわけではありません(その気持ちがないわけでもありませんが)。それよりも明確に、子どもを責め立てる行為が不登校や引きこもりを悪化させるからです。

不登校の子どもをたくさん見ていると、ほとんどの子が学校に行けないのは病気や怪我で行けないのと同じように、体が行けない状態であるからだということが分かってきます。休日の朝はなんともないのに、平日学校がある日は朝になると下痢に襲われ、トイレから出てこられなくなる人がいます。そのほかにも、いざ登校しようとすると体が重くなる、足が動かないと訴える、パニック発作を起こす人もいます。これらはすべて子どもが自分の意思で学校に行かない選択をしているわけではなく、自律神経という自分の意思ではコントロールできない神経の活動によるものです。

ですから子どもはなにも悪くないのですが、それがなかなか理解してもらえません。学校に行けないのは怠けであると映ってしまい、攻撃されてしまうのですね。このようにして周囲から攻撃されることが続くと、子ども自身も、自分はどうしようもなくダメな怠けものだと思い込まざるを得なくなっていきます。そうなってしまうと、子どもは自分で自分を責めるようになります。自分を責めてくる自分と戦うのは非常にエネルギー消費が激しいものです。とても疲れます。再登校に必要なのは、エネルギーを貯めることです。そのためには自分と戦っている場合ではないのです。

不登校の子どもに大切なのは体の反応を取り去ってあげることです。そして、再登校に向けてエネルギーを貯めてあげることです。ですからカウンセリングの中では、子どもを責め立てても決して自分で自分を律することができるようにはならないということをお伝えしています。

当相談室では子どもの体の反応を取り去るため、自律神経への働きかけを中心としたさまざまなアプローチを実践しています。不登校の子どもへの対応でお困りの方はぜひご相談ください。