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心も便秘を起こす!

緘黙~出したくても詰まって出せない心の排泄物

心も便秘を起こす!

「緘黙(かんもく)」という言葉を聞いたことがありますか?これは、人前で話すのが極端に難しい状態を指します。特に学校や職場など、社交的な場面で声が出なくなってしまうことがあります。私のところに緘黙を主訴に来談するクライアントさんには、「あなたは心が便秘になっちゃってるんだね」と例えて説明することが多いです。

心の便秘とは?

まず、便秘とはどんな状態でしょうか?お腹の中で食べ物が詰まってしまい、外に出て行かない状態です。お腹が苦しくなって、不快感や痛みを感じることが多いですね。同じように、緘黙も心の中で言いたいことや感じていることが詰まってしまい、言葉として外に出てこない状態です。この状態が続くと、心が重くなり、ストレスや不安を感じるようになります。

自己評価と心の便秘

緘黙のある子は学校で先生に質問されても、一言も答えられないかもしれません。本当は答えが分かっているのに、声が出ない。この子の心は、便秘のように詰まってしまっているのです。出そうとしても言葉が出ない。とても苦しいです。そして、更に、言葉が出ないことで、不安や自己嫌悪を感じ、悪循環に陥ってしまいます。この悪循環により下がった自己評価は更に、自分の言葉に自信を持てないことの原因となります。本当はそんなことないのですが、当人にとっては、まるで排泄物のように、心の中にある「汚い内面」が外に出ることを避けようとするのです。この感覚は、心の便秘の一部であり、言葉が詰まってしまう原因となります。このような症状は、単に恥ずかしがり屋や人見知りとは違います。緘黙は、もっと深刻な心の問題であり、専門的なサポートが必要な問題なのです。

心の便秘を解消する方法

では、心の便秘をどうすれば解消できるのでしょうか?まず、緘黙のある人が安心して話せる環境を作ることが大切です。これは、プレッシャーを感じない環境や、ゆっくりと話せる時間を提供することを意味します。そのために「心の便秘」の例えはとても有用です。緘黙の当人だけでなく、周囲の人々にとっても症状を理解しやすくします。例えば、家族や友人、教師などがこの例えを知っていると、緘黙のある人に対してより理解と共感を持ちやすくなります。改善のための環境づくりには周囲の人間の理解が不可欠です。そして、お腹の便秘が薬や運動、食事の改善で治るように、心の便秘も適切なサポートや治療で改善することができます。

カウンセリングの役割

カウンセリングは、まさにこの「心の便秘」を解消する場所です。カウンセリングでは、緘黙のある人が安心して自分の(汚いと思っている)内面を吐き出すことができます。そのことでつまりが取れて楽になります。ですがもっと重要なのは自己評価を高め、自分の内面に対する自信を持つことです。自分で汚いと思っていた内面をカウンセラーがしっかりと受け止めてくれるという体験が自己評価を高めるのです。そして、カウンセリングで得た自信と成功体験を、少しずつ日常生活に持ち帰り、外でも話せるようになることを目指します。
心の便秘が解消されると、心が軽くなり、日常生活が楽しく感じられるようになります。緘黙は克服できる問題です。適切なサポートと理解があれば、緘黙のある人も自分の気持ちや考えを自由に表現できるようになります。心の便秘を解消することで、より豊かで充実した生活を送ることができるのです。お悩みの方は、ぜひ「山の香りカウンセリングサービス」にご相談ください。